大阪には文化があふれていた。

小さな公園、野良猫があくびする
子供の駆け回る声、おばさんたちの井戸端会議
窓から見つめるタバコをふかした老人

朝から大衆酒屋へ、雀荘へ、賭場へ
夜にはカレーのにおいがする小道を抜けて文化へ帰る

冬空の下、風呂桶片手に銭湯へ向かう後姿はくたびれている
金もない、品もない、風呂もないが人情があった

そんな場所が、文化住宅であった
鉄の階段の錆びた色、外におかれた洗濯機、カタカタと音を立てる換気扇

今となっては誰も住みたくなかろう
しかし、確かにそこには文化、人の営みがあった
何より大阪らしさがあった

幼いころから好きだった文化住宅
そんな文化住宅が急速に消えていく
立ち並ぶ建売住宅、文化はどこへ消えたのか

当サイトは、文化住宅を保存するため開設されたサイトである
また、文化住宅とそれを取り巻く地域環境についてもクローズアップする

文化住宅
近畿地方における集合住宅の一呼称。 1950 – 60年代の高度経済成長期に使われ始めた用語で、主として当時に建てられた瓦葺きの木造モルタル2階建てで、1-2階の繋がったメゾネット、あるいは各階に長屋状に住戸が並んだ風呂なしアパートを指す。

文化住宅 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』