路地の行き止まりにこの文化はたたずんでいる。

実はこの文化、何度も通り過ぎていた道のすぐ奥にあった。
灯台下暗しとはまさにこのこと。

行き止まり、そのまた奥に二階への階段がある。
2階の住人は必ず奥までいかないと自分の住処には戻れない。

お出かけしようと思えば、誰かと会って急な井戸端会議ということもあったのであろう。

文化というだけあって、一つのコミュニティができるのも、文化の良さである。
家の前の植木や花から、心のゆとりも垣間見える。

不思議なことに、文化住宅につきものである、おばちゃん仕様のチャリが一台も置いていない。
徒歩圏内でも十分に買い物には困らないからだろうか。

おばちゃん仕様のチャリとは、いわゆるママチャリ、それもタイヤのインチが小さく四角いライトがついていそうなもので、ハンドルカバーと「さすべぇ」が標準装備のチャリである。


どうろうか
くつろぎの住宅と銘打った建物があるように、建築やインテリアでのデザインも大切である。
人は外から刺激を受けて内面もそれに染まるからである。

しかし、この文化のように、自ら放つゆとりや文化性が、小さなサインとなって光ることもある。
本当のゆとりや文化性は、お金では買えない。
立派に計算された家を買うのもゆとりだといわれればそこまでだが、
私にはこちらの方が文化的に見えて仕方がない。